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昨年の活動報告 と 今年の伊原塾豫定
昨年から今年にかけて、伊原塾の準備に追はれて
書いたものの「讀書室」掲載が停滯してをります。
掲載促進のため、先づは「昨年末」に發行した「新年おめでたうございます」を
上記のやうに改題して掲載します。
伊原塾は、新規參加の方も迎へて十數人で毎月樂しくやつてをります。
「江戸思想史」は前から勉強したかつたテーマで、
終つたあとも、もう一回最初からやり直したいと思ひつゝ、
其後も關係書を購入して、再開・繼續に備へてをります。
(各思想家の著作や傳記・論評をぢつくり讀み込みたい)
江戸思想史關係の書物は全部手元に置いて斷へず參照したいのに、場所がなく、
書庫に横積みの儘です。
殘念至極!
伊原塾の日取りは大體毎月中旬の木曜日 午後5時から6時半まで
大阪驛前の第三ビル9階903號室で開いてをります。
講義の前に、皆で岩波文庫の『日本童謠集』『日本唱歌集』から一曲づつ歌ふのが慣例です。
そのうち、「伊原塾合唱團」をつくつてハーモニーも樂しみたいです。
二次會は、7時から約二時間、同じビル地下一階の蕎麥屋さんで
實に口當りの宜しい蕎麥湯割燒酎を頂きながらわいわい話して、
本番より樂しいひとときを過ごして解散です。
平成28年の活動報告
昨年は、家内の入院・退院・リハビリなどで皆さんの手助けを頂きました。
お見舞ひや差入れや車で運送などあれやこれやで本當にお世話になりました。
お蔭でどれだけ助かり、元氣づけられ、生き抜く勇氣が得られたことか!
私自身は毎月一回、大阪驛前でやつてゐる「伊原塾」と、
同じく毎月一回の「世界の話題」執筆を生き甲斐にして、
讀書と執筆に勵んでをります。
六甲男聲合唱團は、家内の世話のため暫く休部してをりましたが、
直前に練習に參加して漸く演奏會の舞台に立てました。
私生活はかういふ状態ですが、やはり世の行く末が氣になり、
國際情勢の觀察と記録(『(問題點の)年表・覺書』)は、欠かさず記録中です。
(これが一番時間を取ります。これをしなければもつと讀書執筆ができるのに……
(それでもやらざるを得ないのは、これで世の趨勢を察知できるからです
(新聞雜誌を讀み捨ててゐては、觀察が表面的に流れます)
〈外國旅行〉昨年は、なし。
台灣へはもう一度行つてをきたいのですが。
→ 台灣旅行は今年三月に、畏友 荒木伸男さんのお誘ひと御支援のお蔭で實現しました。
その報告は來年發行する「新年おめでたうございます」でやります。
【文章關係】
1)『關西師友』世界の話題:
「天才と凡人の差」(平成28年2月號)
「臺灣の選擧結果」 (3月號)
「トランプ現象と大衆の叛逆」(4月號)
「恩を仇で返す人と民族」(5月號)
「日本語は高級言語」 (6月號)
「現代假名遣の出鱈目さ」(7月號)
「英語の綴り字改革運動」(8月號)
「便利快適と人の幼稚化」 (9月號)
「ロシヤに賢人は居ないのか?」(10月號)
「我國を支へた武士魂」(11月號)
「新井白石と痩我慢」(12月號)
「トランプ當選の要諦」(平成29年新年號)
「現代史教員養成法」 (3月號)
「死後の世界は……?」 (4月號)
「我國の次なる戰ひは?」 (6月號)
「本土決戰の謎」 (7月號)
「病人FDRの戰爭」 (8月號)
「眞の戰犯:FDR」 (9月號)
2)世代論から見た習近平政權──習近平は中國に新時代を開くか──
(關西日中關係學會・神戸社會人大學・櫻美林大學北東アジア 綜合研究所共編
(『チャイナ・ドリーム と日中關係』櫻美林大學北東アジア綜合研究所、2016.3.31 の第6章,119-137頁)
【口頭發表】
第一、平成28年/2016年(昨年の記録):
1)1月15日 芦屋讀書會:「20世紀を戰爭と革命の世紀にした妖怪:國際金融資本」
2)1月28日 伊原塾(24):ロシヤ人の野望(1):序論 ウクライナ危機と世界最終戰爭(プーチン論)
3)2月25日 伊原塾(25):ロシヤ人の野望(2):ロマノフ王朝とタタールの軛
(イワン雷帝・ピョートル大帝・エカチェリーナ女帝)
4)3月17日 伊原塾(26):ロシヤ人の野望(3):ナポレオン戰爭の衝撃とロシヤの近代化努力
(デカブリストの亂:改革から革命へ)
5)4月3日 擴大伊原ゼミ「三碓會」(アイアイランド):「孫と曾孫を可愛がらう!」
6)4月14日 伊原塾(27):ロシヤ人の野望(4):濃度解放とナロードニチェストヴォの登場=暗殺と革命
7)5月19日 伊原塾(28):ロシヤ人の野望(5):ロマノフ朝最後の皇帝ニコライ二世の御世:
工業化と鐵道/戰爭と革命
8)6月16日 伊原塾(29):ロシヤ人の野望(6):共産主義の興亡と傳統〈專制支配〉回歸
プーチンは何處へ行く
9)7月21日 伊原塾(30):ロシヤ人の野望(7):日露・日ソ關係史論 (日露平和條約の締結は何時?)
10)8月18日 伊原塾(31):江戸思想史入門:日本思想史と江戸思想史
11)9月15日 伊原塾(32):江戸思想史@:戰國末期に於ル キリスト教との格鬪
12)10月13日 伊原塾(33):江戸思想史A:天下泰平と武士の官僚化
13)11月14日 ひょうご講座:米台關係と日本 @:台灣新政權と中國の葛藤
14)11月17日 伊原塾(34):江戸思想史B ノ (1):儒學とその日本的展開
15)11月21日 ひょうご講座:米台關係と日本 A:トランプ政權の登場と東アジア
16)12月15日 伊原塾(35):江戸思想史B ノ (2):江戸後期の日本儒學:本多利明と海保青陵
17)12月27日 EAS研究會:教養論:江戸思想史への誘ひ
第二、平成29年/2017年(今年の記録と今後の豫定):
1)1月19日 伊原塾第36回:江戸思想史B ノ (3):近代國家運營の實學:
山田方谷・横井小楠・佐久間象山
2)1月20日 津村讀書會 (芦屋):米中の葛藤と日本:トランプ大統領登場は自立の好機?
3)2月16日 伊原塾(37):江戸思想史C:國學思想と洋學の系譜 (國際情勢の察知)
4)3月16日 伊原塾(38):江戸思想史D:重農思想と重商思想:江戸期の農業と商業
5)4月13日 伊原塾(39):江戸思想史E:幕末動亂期:開國論と鎖國論/佐幕論と討幕論
6)5月18日 伊原塾(40):讀書會:山本七平『日本人とは何か』 (祥伝社)
7)6月15日 伊原塾(41):讀書會:家村和幸『眞「日本戰史」』 (寶島文庫)
8)7月13日 伊原塾(42):讀書會:以下の二册で、我國が直面する戰爭が見通せます
ルパート・スミス『軍事力の效用:新時代の戰爭論』 (原書房)
エドワード・ルトワック『戰爭にチャンスを與へよ』 (文春新書)
今年八月以降の「伊原塾」報告テーマの豫定
9)8月17日 伊原塾 (43) :キリスト教布教史を巡る米中關係:五四運動 ハ アメリカ ミッション ガ 起こした
米中が接近して日本を挾み討ちにする構圖の形成を探る
10)9月14日 伊原塾 (44) :獨中關係:孫文・?介石 ノ ドイツ利用策が東亞に齎した波紋
清朝李鴻章が定遠・鎭遠などの軍艦をドイツに調達した理由は?
孫文は日本の獻金が乏しくなると、ドイツ ニ 頼らうとした、?介石も對獨接近する……
11)9月29日 ひょうご講座:膨脹する中國の行方と日中關係
國際理解「混迷する國際情勢を讀み解く」講座の三回目
12)10月12日 伊原塾 (45) :中國民主化の可能性と習近平の役割:ナポレオンの警告と習近平の回天策
加藤嘉一『中國民主化研究』(ダイヤモンド社、平成27/2015.7.30) 2400圓+税
高校→北京大學→中國で文筆活動→米國で文筆活動、中國の米國留學生に取材し、
「中國の民主化」といふテーマに取り組む
中共政權に民主化壓力を懸ける主體:香港、台灣、中國人留學生、米國、日本
第三、11月以降の「伊原塾」報告テーマの豫定
アラブ史素描:次の「世界史總括:經濟史を中心に」の豫習として一瞥してをく
13)11月16日 伊原塾 (46) :
<1> 前史:ペルシャ (アケメネス朝・サーサーン朝)
小川英雄/山本由美子『オリエント世界の發展』 (中央公論社、世界の歴史?)
古代オリエント文明 シリア・フェニキア・ヘブライ イラン高原 アクメネス朝ペルシャ
パルティア王朝 (第二イラン王朝) サーサーン朝ペルシャ ゾロアスター教
14)12月 日 伊原塾 (47) :
<2> ムハンマドとイスラーム帝國。附:セム族の三つの一神教 (ユダヤ教・キリスト教・イスラーム)
アルバート・ホーラーニー『アラブの人々の歴史』 (第三書館)
「七世紀初頭、ビザンツ帝國とサーサーン朝といふ世界の西半分を支配した二大帝國の邊境に、
一つの宗教運動が出現した。アラビア半島西部の町 メッカ で ムハンマド といふ人物が……」(5頁)
15)平成30年 1月 日 伊原塾 (48) :
<3> 十字軍:野蠻なキリスト教徒がアラブの先進文明と冨に接して驚嘆した出來事
エリザベス・ハラム編『十字軍大全:年代記で讀むキリスト教とイスラームの對立』 (東洋書林)
16)2月 日 伊原塾 (49) :
<4> Reconquesta:キリスト教徒の捲返し。附:モンゴル帝國の出現
17)3月 日 伊原塾 (50) :
<5> オスマン帝國
18)4月 日 伊原塾 (51) :
<6> アラブの現代
山口直彦『アラブ經濟史 1810~2009年』 (明石書店)
池内 惠『イスラーム世界の論じ方』 (中央公論新社)
曽野綾子『アラブの格言』 (新潮新書)
アラブ ノ IBM:アラブ人の仕事と成否=インシァラー (神の思召し次第)/
ブクラ (明日)/マレシ (過ぎたことは諦めませう)
曽野さんには『アラブのこころ』 (集英社文庫) といふ著作もある由
山本七平・加瀬英明『イスラムの讀み方:なぜ歐米・日本と折り合へないのか』 (祥伝社)
次のテーマ 世界史總括:經濟史を中心に (基軸としての西歐系列と西力東漸/シナの系列/
(日本の系列/ロシヤの系列……)19) 5月 日 伊原塾 (52) :
□第16回「伊原ゼミ三碓會」 (伊原擴大ゼミ勉強會/自由參加) □
(上記「伊原塾」とは別の、私の帝塚山大學でのゼミ生を中心にした會合です)
幹 事 (7期生) の聯絡先:伊東 TEL 0742-43-2478/ TEL 072-428-8959
日 時:平成30/2018年 3月18日 (日) 11:00 ~ 6日 (月)
場 所:奈良市法蓮町 ホテルリガーレ春日野 TEL0742-22-6021
〒579-8012 東大阪市石切温泉町 1-11-12 (宿の送迎バス=11:15/11:30)
會 費:晝食と勉強會 (5000圓)/夕食も (1萬1000圓)/一泊も (1萬8000圓)
集 合:3日 11:00 近鐵奈良線「石切驛」南出口に集合 (急行停車/快速急行は停車せず)
實施豫定: 11:20 受 附
12:00~14:50 歌 → 晝食 (各自 近況報告)
15:00~16:20 勉強會
16:20~17:30 自由 (入浴・散策など)
17:45~19:45 二次會 (お喋りしながらの夕食) → 希望者 一泊
20:00~ 自由時間 (ビールや燒酎附きの懇談會)
4日 朝食後、みんなで景色の良い附近を散策して解散
勉強會 ノ テーマ:教養論:江戸思想史へのお誘ひ
人は、「知的生活」をする人としない人に分かれます。「知的生活」の中核は「教養」の有無です。
皆さんは「教養學部」を出たから當然「教養」がある筈ですが……
といふ話から始めて、江戸時代には庶民まで教養ある人が多かつたといふ話までします。
その子孫にしては、最近「教養なき人」がやたら殖えたやうに見えるのはどういふ譯か……?
次世代の育て方に問題あり!
皆さんはお孫さんをしつかり育てて下さい。