日亜協会 第327回 例会 ご案内
満洲事変から盧溝橋事変までの1930年代は南京国民政府が近代化政策を推進した。政治的統一、経済建設はもちろんのこと、外交関係の修復もである。軍事制度・編制、兵器装備に到るまで更新が企図された。陸軍大学校は最高学府として、指揮官と参謀を養成する重要な責務を負っていた。なかでも対日戦が想定されたため、指揮官に国民党軍人としての自覚と資質を注入する必要があった。『三民主義』の民族主義を引用した総理紀念週の講演は、民族主義の発揚、死を恐れない戦闘力、軍民の団結力について学員に解説している。どのように説明しているのかについて、本講演で明らかにしてみたい。
日時:令和6年12月13日(金)
18:00〜20:00(17:50開場)
会場:大阪市立総合学習センター(大阪駅前第2ビル)5階第6研修室
会費:千円 (非会員二千円),学生200円
二次会:2階北西隅「北大会館」 懇親交流会 千円(非会員も同じ)
演題:中華民国陸軍大学校の抗戦準備
−総理紀念週の講演から考える−
講師:細井 和彦(鈴鹿大学国際地域学部教授)
<講師プロフィール>
昭和39年、群馬県生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了(博士・文学)。大学院在学中に(財)霞山会の派遣で中国南京大学に留学、第二次天安門事件に遭遇。首都師範大学外国語学院 外国言語学応用言語研究所客員研究員として在外研究、北京オリンピック前の中国社会を観察。専門は中国近現代史(1930年代の中国)。最近の研究テーマは、陸軍大学校の将校/参謀養成制度。
主な業績、細井和彦(2023)「陸軍大学校における総理紀念週の活動について−楊杰教育長『三民主義』の中核について語る−」(『中国研究論叢』第22号)、「試論国民党政権下選抜陸軍大学学員制度」(『第三届中国近現代社会文化史国際学術研討会論文集』・2015年)、翻訳:楊杰『国防新論』(一)〜(十)など。