新年おめでたうございます - 伊原教授の読書室

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平成28年元旦



    新年おめでたうございます





                            伊原 吉之助



伊原註:毎年、年賀状の形で前年の活動報告をしてきました。

    今回は、「伊原塾」の今年の スケヂュール を載せてゐます。

    熟生は現在十數名。教室にあと 1-2名の余裕あり。

    聯絡先:幹事 伊藤允孝さん(070-5593-3704)

    伊原塾參加費 (毎回 1500圓/懇親會 3000圓<つまみ+飲み放題>)

     (懇親會は希望者のみ)



 皆樣、希望の持てる新年を迎へられますやうに。これは、近況報告を兼ねた賀状です。

 (戰後育ちに戰前の書物を讀めなくした占領政策の「日本の傳統斷絶陰謀」

 (「語彙激減による頭腦幼稚化陰謀」を跳返すため、正字・歴史的假名遣にします。

 (正字の端麗さと歴史的假名遣の格調の高さを味はひ、讀慣れて下さい。

 (略字・現代假名遣を使つて宜しいが、正字・歴史的假名遣にも慣れて下さいますやうに)


 一昨年は、新年早々から夫婦で「脊椎の壓迫骨折」による入院生活を經驗し、

 私は身長が 5a縮んだものの幸ひ恢復し、普通の生活に戻りました。

 家内は歩行困難で外出はタクシー、歩行のリハビリ訓練中です。

 皆さん、動ける間にしつかり歩行訓練しておきなさい。

 椅子生活は足腰を弱めます。

 階段や坂道を昇り降りするのが宜しいやうです。

 私は神戸大學在學中、六甲の坂道で鍛へたのが今に役立つてゐます。


 一昨年末に曾孫誕生! 長男の次女が女の子を産みました。

 丈夫で元氣一杯ですが、

 この子が育つ20年後の世界はどうなつてゐることやら……?

 つくづく「世の行く末」が氣に懸ります。


〈外國旅行〉なし。


〈文章關係〉

(1)『關西師友』世界の話題・昨年の題目:

  新年號:昭和十年代の統制經濟

  二月號:主權を護る國にならうではないか!

  三月號:(休 載)

  四月號:中共政權の本性を知らぬ紅二代

  五月號:戰後體制からの脱却

  六月號:ケ小平と毛澤東の器量の差

  七月號:毛澤東獨裁とスターリン獨裁

  八月號:二二六事件と昭和天皇

  九月號:往きて還らぬ昔

  十月號:國語の淺薄化

  十一月號:大東亞戰爭:米國の對日經濟戰

  十二月號:大東亞戰爭と國策

  新年號:(休 載)

  二月號:天才と凡人の差

  三月號:臺灣の選擧結果


(2)日本の正統に戻らう

  (「年頭所感」特輯號『國民新聞』第19201號/平成27.1.25,1面)

  (『國民新聞』は、其後、惜しまれつつ休刊)

(3)ファシズム國家は日本か中露か (正論『産經新聞』5.8,東京版 7面/大阪版 13面):


(4)戰後70年歴史戰爭に勝つ:歴史に學ばず歴史に復讐される中・露・韓國

  (『アイデンティティ』8.1號)


(5)『台灣の政治改革年表・覺書(2015年 6月 − 9月)』

  (知友に頼み、台灣で 30部刊行して知友に配布)


(6)世代論から見た習近平政權──習近平は中國に新時代を開くか──

  (關西日中關係學會・神戸社會人大學・櫻美林大學北東アジア 綜合研究所共編

  (『チャイナ・ドリームと日中關係の行方』

  (櫻美林大學北東アジア綜合研究所、2015.11.の中の一章) → 近刊の予定



〈口頭發表〉

(1)1月16日 蘆屋讀書會 (津村宅) :「我國の來し方行く末」

(2)1月22日 伊原塾第12回 (大阪) :「李鴻章とその時代」

(3)2月26日 伊原塾第13回 (大阪) :「孫文とその時代」

(4)3月26日 伊原塾第14回 (大阪) :「?介石とその時代」

(5)4月12日 擴大伊原ゼミ「三碓會」(信貴山觀光ホテル):

        「日本・人類の“來し方行く末”」

(6)4月22日 新時代の日本を考へる兵庫フォーラム:

        「21世紀の子育て:傳統に學ぶ新しい智慧」

(7)4月23日 伊原塾第15回 (大阪) :「毛澤東とその時代」

(8)5月21日 伊原塾第16回 (大阪) :「ケ小平と習近平」

(9)6月26日 伊原塾第17回 (大阪) :「長い19世紀:總力戰への道 (1)」

        → 講師日附錯誤で流會

(10)7月4日 神戸社會人大學(神戸):「大東亞戰爭論」

(11)7月23日 伊原塾第18回 (大阪) :「長い19世紀:總力戰への道 (1)」

                 (人類史上の19世紀)

  「長い19世紀」を提唱した Hobsbawm は フランス革命 ~ T大戰 とするが、

  アメリカ の 獨立戰爭から始る と見た方が妥當

  フランス革命は、アメリカ獨立革命の飛び火で勃發した革命だからです。

(12)8月27日 伊原塾第19回 (大阪) :「長い19世紀:總力戰への道 (2)」(クリミア戰爭)

(13)9月24日 伊原塾第20回 (大阪) :「長い19世紀:總力戰への道 (3)」(南北戰爭)

(14)9月28日 日本眞生塾 (京都) :「戰後70年の節目:大東亞戰爭論」

(15)10月22日 伊原塾第21回 (大阪) :「長い19世紀:總力戰への道 (4)」

                   (ビスマルクと普佛戰爭)

(16)10月29日 ひょうご講座「超大國への道を歩む中國の實態」(神戸):

               第9回「台灣と兩岸關係」

(17)11月 1日 日本の歴史文化研究會 (大阪) :「第一次世界大戰と日本」

(18)11月15日 神戸師友猶興會 (神戸) :「戰後70年を期して『大東亞戰爭』を顧みる」

(19)11月27日 伊原塾第22回 (大阪):「長い19世紀:總力戰への道(5)」

                   (ボーア戰爭・日露戰爭・バルカン戰爭)

(20)12月 8日 21世紀日亞協會 (大阪):「大東亞戰爭論」

                    (1) 北進か南進か/西進か東進か、

                    (2) 國際金融資本の惡辣


伊原註:大東亞戰爭に關して、下記が今評判になつてゐます。

    鈴木敏明『大東亞戰爭は、アメリカが惡い』

        (勉誠出版、平成27/2015.12.8) 3200圓+税

    800頁の大冊ですが、實に讀みやすく、まともです。

    世にある大東亞戰爭論に納得できず、

    一念發起して自分で調べて書いて自費出版して配布。

    其後、やつと市販に漕ぎ着けたといふ書物です。

    初版が、發行部數の何倍もの申込があつたので急遽再販を出した由。

    英譯も作られ、85ケ國の駐日大使館・領事館に贈呈されてゐます。

    今、本屋に並んでゐますから、是否一讀して知友に回覧されますように!


(21)12月17日 伊原塾第23回 (大阪):「長い19世紀の結末:第一次世界大戰」

(22)12月27日 EAS研究會 (京都):「グローバリズム といふ名の妖怪:戰爭と革命の元兇」

          cf.馬淵睦夫『國難の正體:世界最終戰爭へのカウントダウン』

              (ビジネス社、平成26/2014.11.1) 1100圓+税

(23)1月15日 芦屋讀書會 (芦屋) :「20世紀を戰爭と革命の世紀にした妖怪:國際金融資本」

(24)1月28日 伊原塾第24回 (大阪):ロシヤ人の野望 (1):

        序論 ウクライナ危機と世界最終戰爭/プーチン論

(25)2月25日 伊原塾第25回 (大阪):ロシヤ人の野望 (2):

        ロマノフ王朝とタタールの軛 (イワン雷帝・ピョートル大帝・エカチェリーナ女帝)

(26)3月17日 伊原塾第26回 (大阪):ロシヤ人の野望 (3):

        ナポレオンの衝撃と近代化競爭(デカブリスト・農奴解放・ウィッテとストルィピン)

(27)4月14日 伊原塾第27回 (大阪):ロシヤ人の野望 (4):

        人類救濟・世界革命の夢(第三の ローマ論・ナロードニキ・リェーニン主義)

(28)5月19日 伊原塾第28回 (大阪):ロシヤ人の野望 (5):

        19世紀ロシヤの葛藤 (西歐派とスラヴ派/附:ドストーイェフスキー論)

(29)6月16日 伊原塾第29回 (大阪):ロシヤ人の野望 (6):

        20世紀:共産主義の興亡と傳統 <專制> 回歸 (プーチン論再説)

(30)7月28日 伊原塾第30回 (大阪):ロシヤ人の野望 (7):

        日露・日ソ關係史論 (日露平和條約の締結は何時?)


→ 次の題目:候補 (1)「海洋帝國 英國」

       候補 (2)「江戸思想史:日本人の自覺と國家經營構想の探求」





【惠さんの歸國歡迎 三碓會】 11月 4日 (水) 13:00~ 於近鐵奈良驛前 月日亭で實施

   參加者:2期生=酒井達惠・一柳みや子 3期生=駒井洵子・西野民子 5期生=長屋洋子

       6期生=中島委枝 7期生=前田裕子・伊東宏實 8期生=北崎雅美

       21期生=金森博子・渡部由美・惠 ド・サンペール そして 伊原吉之助

  みんなで近況報告して團欒を樂しみました。


   パリに帝塚山大學の事務所が出來、

   惠さんはこれを大いに發展させると張切つてゐます。

   帝塚山大學はフランス人留學生を殖やしたいやうです。





第15回「伊原ゼミ三碓會」 (伊原擴大ゼミ勉強會/自由參加) 豫告

 幹 事 (5期生):朝田幸子 (これはもう募集を締切りました)

 日 時:平成28/2016年 4月 3日 ? 11:30 ~ 13日 ?

 場 所:アイ・アイ・ランド ? 072-876-1911 → ネット で見ておかれたし

     ?575-0011 四條畷市逢坂 458

  → 3日 11:00 近鐵生駒驛 バス乘場 集合 (宿の送迎バス 利用)


 集 合:3日 11:30 現地集合

        12:00~16:00 晝食 (各自 近況報告) /歌/勉強會 (伊原先生のお話)

        16:00~17:30 自由 (入浴・散策など)

        17:30~19:00 二次會 (夕食 ト 懇親會) → 希望者 一泊

     4日 みんなで景色の良い附近の散策……


 勉強會のテーマ:「孫と曾孫を可愛がらう!」

  孫や曾孫が育つ時代の世の中はどうなつてゐるだらうか?

   (19世紀 からの 現代史の總括 + 21世紀の展望)

  (列強繁榮の時代は戰爭だらけ、個人が強くなつた今はテロだらけ)


  親は人生經驗未熟・教養不足 → 戰前生れの爺ちやん婆ちやんの出番

    (今や消滅中だが……)

  孫がちやんと生きて行けるやうに育てよう!

   國語の習得 (いろは歌留多 + 百人一首)

   皆さん、「憎まれつ子世にはばかる」の意味をご存じ?

   「犬も歩けば棒に當る」は?

   「旅は道連れ世は情け」と「人を見たら泥棒と思へ」は矛盾する?

   皆さん、お孫さんと「いろは歌留多」をとつておいて下さい。

   cf.拙稿「國語の淺薄化」 (『關西師友』平成27/2015年十月號、8-11頁)

     時田昌瑞『岩波いろはカルタ辭典』 (岩波書店、平成16/2004) 3000圓+税


   柔道の受身(倒れ方の習得)

   格鬪技の習熟(いぢめる奴への反撃力)

   育て方の基本=良く遊び良く學べ!……



  歩く力の確保には、疊生活と和式便所の復活が效果的です。

  立つたり坐つたりを始終繰返すからです。

  骨と筋肉は、毎日鍛へてゐないと忽ち痩せます。

  宇宙飛行士は、宇宙で自轉車漕ぎで鍛練してゐるのに、歸還後直ぐには歩けません。


 cf.拙稿「志ある若者よ“疊生活”に戻らう」 (正論『産經』平成26.4.29,11面)

  エレヴェーターとエスカレーターは使はず、階段を使ひませう!

  若い時にこれをやつておかないと、老後は寝たきりになりますよ!

  近頃私は「つくもる姿勢が大事」と言ひまくつて、

  「つくもる」といふ關西辯を知らぬ關西人の多さに驚いてゐます。

  國語辭書には「うづくまる」 (蹲る) しか載つてゐません。

                       (平成28/2016.2.19「讀書室」用に編輯)