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平成25年元旦
新年おめでたうございます
伊原 吉之助
皆樣、希望の持てる新年を迎へられますやうに。近況報告を兼ねた賀状です。
(合同ゼミの課題通知を兼ねてゐるので、御不幸があつた方にも出します。
(また、戰後育ちに戰前の書物を讀めなくした占領政策の「日本の傳統斷絶陰謀」を跳返すため、
(正字・歴史的假名遣ひにします。
(正字の端正さと歴史的假名遣の格調の高さを味はひ、讀慣れて下さい)
昨年は地球規模で天變地異の酷い年でした。
今年は地球規模で經濟危機が火を噴きさうです。
〈外國旅行〉
台 灣 (1月12日〜18日) :
昨年の各國トップ交代のトップを切る筈の1月の台灣の總統選擧でしたが、
一昨年末の金正日の急死が トップ交代の先鞭を著けました。
ともかく、その總統選と、同時開催の立法委員選擧の視察のための台灣行でした。
そして、總統選の事情が判る昨年10月以降の
『台灣の政治改革年表・覺書』
を印刷・配布して來ました。
歸國直後、大阪驛で發車間際の電車に突進して激しく轉倒し、左肩を複雜骨折しました。
9月までリハビリに勵み、95 パーセント 恢復しました。
その間、多くの知友の慰め勵ましを戴き、人の縁の有難さが身に染みました。
台 灣 (12月13日〜20日) :
もう一人旅行など出來ないと思つてゐましたが、幸ひ出來るまでに恢復しました。
一年ぶりで知友と會ひ、歡談しました。
別項目に書いたやうに、四つの大學と大學院で講義しました。
淡江大學大學院修士課程 1年生 7人相手に午前 9時〜12時まで 3時間話した上、
質疑應答を 12時40分までやりました。
午後の台灣大學大學院修士課程 1年生 10人相手に文明論。
翌日、台灣新幹線 (台灣では「高速鐵道」略して「高鐵」) で台中まで行き (1時間)、
午前、東海大學で百名近くの學部學生相手に、通譯附きで一齣。晝休みに食い込んで質疑應答。
中國大陸からの留學生 (女子學生) が熱心に質問しました。
午後は靜宜大學學部學生數十人に講義。
以上、何れも熱心に聽いてくれました。
台灣に飛ぶ前日、徹夜で講義レジュメを作つた甲斐がありました。
7月〜12月の『台灣の政治改革年表・覺書』を 40册造り、配布しました。
〈文章關係〉
1)『關西師友』世界の話題:
新年號 「台灣總統選と子豚貯金箱」
二月號 「日米で守る台灣」
三月號 「政治家と歴史」
四月號 「福島原發と黄砂」
五月號 「戰爭なほ續く日本」
六月號 「昭和の間違ひが再現?」
七月號 「 日本人の感性劣化」
八月號 「個人主義の陷穽」
九月號 「無心の境地」
十月號 「現代文明のひ弱さ」
十一月號「祖父母の效用」
十二月號「コ冨蘇峰の教訓」
新年號 「民主制の缺陷:内向きと刹那性」
2)『台灣の政治改革年表・覺書(2011.10月-2012.1月)』 (台灣で 60部刊行・配布)
(台灣總統選前の記録/米のアジア復歸/台灣民政府の關係資料などを収録)
3)改革ニヒリズムとの鬪爭(年頭所感『國民新聞』第19171號/平成24年1月25日, 2面)
4)日米安保を盾に安定選んだ台灣 (「正論」『産經』1.25, 13面)
5)指導者はなぜ小粒化したのか (「正論」『産經』4.5, 13面)
6)中國近代化の難題:帝國と國民國家の交錯
(關西日中關係學會・神戸社會人大學共編『中國の近代化』
(櫻美林大學北東アジア綜合研究所、2012.8.1,1600圓+税、の 第I部第5章を執筆)
→日本圖書館協會から「日本優良選定圖書」に選ばれました。
7)「快氣祝の御挨拶」(平成24年10月吉日)/「快氣祝盛會の御禮」 (平成24年10月28日)
8)『台灣の政治改革年表・覺書(2012.7月-12月)』 (台灣で 40部刊行・配布)
9)人口老齢化の嚴しい關門
(關西日中關係學會・神戸社會人大學共編『アジア の 時代と日中關係』
(櫻美林大學北東アジア綜合研究所、2013年、への原稿)
〈口頭發表〉
1)1月20日 蘆屋讀書會 (津村宅) :「元首交代の先陣を切つた台灣」
2)1月31日 日亞協會第182回例會 (大阪) :「台灣總統選の報告:台灣は何處に向うのか」
3)2月4日 第23回日本と台灣を考へる集ひ (大阪) :「台灣總統選の總括」
4)3月25日 擴大伊原ゼミ「三碓會」(箕面):「觀念の慘劇:ロシヤ革命・日米戰爭」
5)10月9日 ひょうご講座「アジアの時代と日中關係」(神戸):第六回「人口老齢化の嚴しい關門」
6)12月18日 私立淡江大學大學院 (台灣 新北):「東アジアの前途」
7)12月18日 國立台灣大學 (台北):「現代文明の未來」
8)12月19日 私立東海大學 (台中):「最近の日本の政局と展望」
9)12月19日 私立靜宜大學 (台中):「尖閣緊迫と中共習近平政權」
10)12月26日 EAS研究會 (京都) :「日中國交四十年:中華天下への回歸?」
11)1月18日 蘆屋讀書會 (津村宅) :「習近平政權:二周遲れの帝國主義」
第13回「伊原ゼミ三碓會」 (伊原擴大ゼミ勉強會/自由參加) 豫告
聯絡先:酒井達惠 (TEL 072-426-7577)
日 時:平成25年3月24日 (日) 12時〜
場 所:「いよやかの郷」牛瀧温泉
〒 596-0114 大阪府岸和田市大澤町 1156
TEL 072-479-2641 http://www.iyoyaka.jp/ いよやか
集 合:24日 11:00 JR阪和線 岸和田驛前 (改札口 は 1ヶ所のみ)
JR 天王寺驛より 快速・區間快速で約30分
參加費:食事と勉強會/二次會/宿泊 の各費用は未確定。別途お知らせします。
勉強會 の テーマ:「習近平政權は何をしでかすか?」
cf. 矢板明夫『習近平 共産中國最弱の帝王』 (文藝春秋、2012.3.20) 1400圓+税
宮崎正弘『中國權力鬪爭』 (文藝社、2012.9.15) 1600圓+税
宮崎正弘『習近平が仕掛ける尖閣戰爭』 (並木書房、2012.12.5) 1500圓+税
楊 中美『習近平が仕掛ける新たな反日』 (コ間ポケット、2012.10.31) 952圓+税
遠藤 譽『チャイナ・ヂャッヂ 毛澤東になれなかつた男』 (朝日新聞出版、2012.9.30) 1700圓+税
朱 建營『中國外交 苦難と超克の100年』 (PHP研究所、2012.10.4) 1400圓+税
佐藤優・手嶋龍一『動亂 の インテリヂェンス』 (新潮新書、2012.11.1) 720圓+税
上記から 1, 2册讀んでをかれたし。
政權交代の機會に、中國の現状と今後の出方を探つてみませう。
中國を巡る國際情勢を探るには、米露兩國と中國の周邊諸國の對應を察知してをく必要があります。
そのための參考文獻を若干擧げてをきます。
cf. 兵頭二十八『日本人が知らない軍事學の常識』 (草思社、2012.3.26) 1800圓+税
兵頭二十八『北京は太平洋の覇權を握れるか:想定 絶東米中戰爭』
(草思社、2012.9.28) 1600圓+税
中西輝政『迫りくる日中冷戰の時代:日本は大義の旗を掲げよ』
(PHP新書、2012.10.2) 760圓+税
『キッシンヂャー回想録 中國 (上下)』 (岩波書店、2012.3.28) 各 2800圓+税
ドミートリー・トレーニン『ロシヤ新戰略:ユーラシアの大變動を讀み解く』 (作品社、2012.3.15) 2800圓+税
ゲヴォルクヤン/チマコワ/コレスニコフ『プーチン、自らを語る』 (扶桑社、2000.8.30) 1429圓+税
北野幸伯『プーチン 最後の聖戰』 (集英社インターナショナル、2012.4.10) 1600圓+税
ペマ・ギャルポ『最終目標は天皇の處刑:中國「日本解放工作」の恐るべき全貌』
(飛鳥新社、2012.1.27) 1300圓+税
上記のうち、中西輝政著と北野幸伯著が必讀です。
(平成24/2012.12.31加筆)