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福 島 原 發 と 黄 砂
伊原註: 『 關西師友 』 平成24年4月號掲載 ( 10-11頁 ) の
「 世界の話題 」 No268の増補版です。
國益を追求せぬ日本政府
知友 ( 宇佐美義尚さん ) が、
板垣與一文庫ニューズレター 『 アジアとの對話 』 といふ82頁の雜誌 ( 宇佐美さんはその編集人 ) の
「 震災特集號 」 を送つてくれました。
板垣與一文庫とは、本誌によれば、
一橋大學で定年まで勤めたあと亞細亞大學で教鞭を取つた板垣與一教授の藏書を
愛用の品々と共に収藏し、一般の閲覧にも供してゐる施設です。
板垣ゼミを中心にした會員の勉強組織でもあるらしく、
輕井澤緑陰講座の報告が三つ収録されてゐます。
一つ目の、宇佐美義尚さんの報告 「 M.ウェーバー の社會經濟學 」 も
有名な、ウェーバー夫人の書いた傳記に誤りが多いといふ話を初めとして
私には頗る興味深かつたのですが、
一般の方々には、
二つ目の 「 東日本大震災・福島原發事故と日本の將來 」 と題する
板垣哲史 ( 板垣與一教授の子息 ) 報告が頗る面白いです。
これは紹介せざるべからず!
注目點が五つあります。
第一、原發は急には止 ( とま ) らない。
發電を止 ( や ) めても爐心は燃え續け、20年位しないと消えない。
そして原發を止めたドイツは不足分を近隣諸國から ( 原發發電を含めて ) 買入れられるが、
日本は全て自前で開發せねばならない。
第二、次世代エネルギーとして有望なのは太陽光發電ではなく、天然ガスである。
メタンハイドレードといふ氷状 ( シャーベット状 ) の天然ガスが
日本列島の周圍の海底に山ほどある。
量の多い太平洋側は紀伊半島から靜岡縣にかけて 1000メートル から 2000メートル の深海に、
日本海側は竹島から尖閣諸島にかけて淺い處に、
當分掘り盡せぬほどある。
但し問題が二つある。
石油で儲ける米國のメジャーが天然ガスへの移行を邪魔立てすることと、
韓國・中國の領有權主張の横車です。
情ないことに我日本政府は、日本に再び榮光を齎す筈のこの資源に氣附かぬふりをした儘動きません。
なぜ?
我國の權力中樞に潜入した數多 ( あまた ) の反日分子・外國の手先が聯繫して
我國の足を引張つてゐるから? と疑ひたくなる事態です。
戰後、自民黨政權を含め、日本國政府が日本の國益を害して來た事例は澤山ありますから。
その事例は無數です。
第一、米占領軍が戰後韓國に植えつけた反日の動きを、竹島を初めとして放置
第二、朝鮮總聯に國有地を無償・無税で提供、日本人の拉致を黙認等々
第三、外國人に地方參政權を與へようとしてゐる、等々
第四、占領基本法に過ぎない“新憲法" 初め占領中の法律を變へようとしない
第五、戰後育ちに戰前の書物を讀ませぬための漢字制限・略字・現代假名遣ひを押しつけた儘
第六、中共の日本浸透工作を受入れ、税金を中共に大量供與して止めてゐない
第七、公務員に忠誠宣誓をさせず、反日日本人を大量に受け入れて保護してゐる
第八、何ら忠誠を求めぬ儘、外國人に簡單に日本國籍を賦與
第九、反日日本人を國會議長にした
等々……
日本亡國化の陰謀を打破せよ
扨て、板垣哲史さんの報告の注目點の紹介に話を戻します。
第三、福島原發事故による放射能が怖いといふが、黄砂の方がもつと怖い。
福島原發からは殆ど出てゐない 「 最惡の放射性ストロンチウム 」 ( 骨に入込み白血病を起す/半減期29年 )
を含んだ黄砂が大量に飛來するからです。
こんな状況の中で、日本にだけ原發廢止を求める 「 運動家 」 が如何に“怪しい" ことか!
中國は砂漠地帶で核實驗を續けて來ましたから、砂漠の砂は放射能がこびりついてゐるのです。
それに、日本の風上に立地する北朝鮮も中國も、今後原發を大量設置します。
( 中國は、百ケ所以上を豫定してゐます )
日本が原發を止めても、放射能の危險は全然小さくならないのです。
そして、關東より九州や關西の方が、中國に近い分だけずつと危い。
だから、放射能を避けて關西に移り住んだ人は、まるで漫畫の主人公を演じたのです。
第四、日本は4000發の核彈頭を持つ潜在核保有國である。
原發の使用濟核燃料から得たプルトニウムが青森の六ヶ村に格納中。
これを中國は 「 めちやめちやに恐れてゐる 」 由ですし、
IAEA ( 國際原子力機關 ) も知つてゐて、事務局長に日本人を起用した。
この事態を 「 知らぬは日本人ばかりなり? 」
( 伊原註:プルトニウム はさう簡單に原爆にならないと思ひますが…… )
第五、圓高やデフレが續くのは、腐敗官僚の作爲 ( または無作爲 ) の産物である。
なぜなら、圓安にするとインフレになり、給料の實質購買力が減る。
デフレは實質購買力を殖やすから、役人は圓高維持に走る。
民間がどんなに困らうと知つたことではない。
インフレで、民間は組合があつて給與が直ぐ上るが、
官僚はなかなか上がらず困つた經驗を
石油ショック後のインフレで痛感したから、
官僚は以後デフレを後生大事に墨守してゐるのだと。
官僚がいま懷が温かい證據に、東京郊外の西武線の奥でマンションを買つてゐるのは、
不動産會社の人曰く、 「 全員 公務員です 」 と。
引締め大好き派の日銀を初めとして、
公務員は、この不景氣時代にデフレを謳歌してゐるのださうです。
どうです、面白いでせう。
でも大變です。
反日日本人もさうでない日本人も、寄つてたかつて日本の足を引張り、
日本の亡國を招き寄せてゐる──といふ話ですから。
ではどうすれば宜しいか?
問題は多岐に亙 ( わた ) るので、
今回は讀者の皆さんに考へて頂きます。
それぞれにお考へ下さい。
( 2012.2.29/4.2補筆 )