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平成23年元旦
新年おめでたうございます
伊原 吉之助
皆樣、希望の持てる新年を迎へられますやうに。近況報告を兼ねた賀状です。
( 戰後育ちに戰前の書物を讀めなくした占領政策の 「 日本の傳統斷絶陰謀 」 を跳返すため、
( 正字・歴史的假名遣ひにします。
( 正字の端正さと歴史的假名遣の格調の高さを味はひ、讀慣れて下さい )
昨年の伊原擴大ゼミ三碓會 ( 吉野 ) は、
河野かほるさん姉妹が 2歳と 1歳のお子さん 3組 6人を連れて參加し、
實に和やかな雰圍氣でした。
このお子さん方、ちやんと勉強會にも參加し、行儀よく話を聽いてゐたのですよ!
「 四世同堂 」 と言ひますが、伊原ゼミは三世同堂を實現しました。素晴しい!
今年の三碓會は日本農業の現状と將來について考へる機會を提供します。
グローバル 時代に日本の農業を基本とする國土をどう維持發展するか? をお考へ下さい。
〈外國旅行〉
台 灣 ( 5月13日〜21日 ) :
一年ぶりの台灣行には三つの目的がありました。
1 ) 『 台灣の政治改革年表・覺書 ( 2010.1.-5. ) 』 の印刷・配布です。
台灣の知友への配布は手渡しと郵送、日本の知友へは航空便で郵送です。
台灣の現状をきちんと再確認して頂きたいからです。
2 ) 台灣の日本語學生への講義。台灣の知友には大學教授が多いので、
私が訪台すると、日文科の學生相手の講義を設定してくれます。
今回は、台中の靜宜大學 3年生、
台北縣淡水鎭の淡江大學 4年生、
台北の台灣大學院生 ( これに輔仁大學院生も合流 )
の三大學で講義しました。
學部學生には日本事情を話すと共に、
社會へ出たら世のため人のため盡しなさいと勵ましました。
院生には、日本現代史は元祿時代から始るといふ持論をぶつけました。
これは新鮮だつたやうで、
では日本現代史に於る明治維新の意義は? との質問を受け、
それは次回に話しませうと答へました。
3 ) 台灣の知友から台灣の實情と問題點を聽くこと。
これは能率よく進み、収穫多大でした。
各人各説で一概には言へませんが、前途に對する樂觀論と悲観論がありました。
台 灣 ( 11月24日〜12月 1日 ) :
1 ) 『 台灣の政治改革年表・覺書 ( 2010.5.-8. ) ( 2010.9.-11. ) 』 の 2 冊の印刷・配布。
前者15部・後者30部を配布・送付 ( 日本の知友へ ) しました。
2 ) 台灣の五都選戰視察。
3 ) 知友と意見交換。
4 ) 台灣の大學で講義:
台北の淡江大學 ( 學部 3年生 ) /台灣大學 ( 院生 )
台中の東海大學 ( 院生・教授・社會人 ) ・靜宜大學 ( 學部 4年生/日本の提携大學からの留學生 )
「 ポスト・モダンと社會の成熟度──21世紀の國際社會を展望する/モデルは江戸時代の天下泰平── 」
といふ 7頁の レジュメ を配布し、各大學でその中の使ふ部分を變へて話しました。
東海大學は 「 最近の日本の政治 」 が主題。日本語科の院生のほかに教授も何人か參加され、
通譯付きサロン形式 ( 隨時應答 ) でやり、和やかなうちに高度な知的應答が出來て氣分爽快!
また近い内に再訪したくなりました。
〈文章關係〉
1 ) 『 關西師友 』 世界の話題シリーズ:
「 “明治の間違ひ”の是正 」 ( 新年號 ) ,
「 馬英九國民黨政權の退潮 」 ( 2月號 ) ,
「 中共の台灣併呑構想 」 ( 3月號 ) ,
「 台灣の運命握る米國 」 ( 4月號 ) ,
「 中共の統戰と鳩山友愛 」 ( 5月號 ) ,
「 台灣を救つた根本博中將 」 ( 6月號 ) ,
「 明治維新と政治の成熟 」 ( 7月號 ) ,
「 與那國島の防空識別圏 」 ( 8月號 ) ,
「 汝自身を知れ! 」 ( 9月號 ) ,
「 昭和天皇と二二六事件 」 ( 10月號 ) ,
「 ポスト・モダン に向ふ世界と日本 」 ( 11月號 ) ,
「 外交の鐵則 」 ( 12月號 ) ,
「 ?經國の掌中で踊る民進黨 」 ( 新年號 )
2 ) 統一地方選に見る台灣の現状 ( 『 アイデンティティ 』 第42號/平成22年 2月 1日 )
3 ) 袁紅冰が暴露した中國の台灣併呑計劃 ( 『 正論 』 4月號,172-177頁 )
4 ) 『 台灣の政治改革年表・覺書 ( 2010.1月-5月 ) 』 ( 台灣で 35部刊行・配布 )
5 ) 台灣併呑の危機と鄭南榕精神 ( 日本李登輝友の會機關誌 『 日台共榮 』 第26號 ( 5月號, 8-11頁 )
( 講演筆記の形をとつてゐますが、私の書下しです )
6 ) 『 台灣の政治改革年表・覺書 ( 2010.5月-8月 ) 』 ( 台灣で 15部刊行・配布 )
7 ) 『 台灣の政治改革年表・覺書 ( 2010.9月-11月 ) 』 ( 台灣で 30部刊行・配布 )
8 ) 台灣五都選戰評 ( 談話 ) ( 『 産經新聞 』 11月28日,5面 ) :
「 現状維持の底流にあるもの 」 ( 東京版の見出し )
「 國民黨の勢力漸減 」 ( 大阪版の見出し )
〈口頭發表〉
1 ) 1月15日 蘆屋讀書會 ( 津村宅 ) : 「 低俗化する平成日本:原點は明治にあり 」
2 ) 2月13日 大和心のつどひ第451回例會 ( 大阪 ) :
「 中國經濟の實體:日本は中國なしには生存できないのか 」
3 ) 3月27日 神戸婦人有權者聯盟 ( 三宮 ) : 「 民主黨政權の行方 」
4 ) 3月28日 伊原ゼミ三碓會 ( 吉野山竹林寺 ) : 「 平成日本の極樂と地獄 」
5 ) 4月3日 第6回台灣建國烈士・鄭南榕記念台灣問題講演會 ( 東京 ) :
「 台灣併呑の危機と鄭南榕精神── 『 台灣大劫難 』 を手掛かりとして 」
6 ) 5月17日 靜宜大學日文科 3年生に講義 ( 台中市 ) : 「 日本の政治の近況と日台關係 」
7 ) 5月18日 淡江大學日文科 4年生に講義 ( 台北縣 ) : 「 日本の政治の近況と日台關係 」
8 ) 5月19日 台灣大學日文科院生に講義 ( 台北 ) : 「 日台文化の共通點と東アジア の 將來 」
9 ) 6月10日 夫婦會 ( 大阪 ) : 「 日本現代史の展開 」
10 ) 8月21日 中國民族問題研究大阪讀者の會 ( 大阪 ) : 「 台灣問題を考へる 」
11 ) 11月12日 近畿偕行會 ( 大阪 ) : 「 尖閣問題から見たこれからの中國との關係 」
12 ) 11月25日 淡江大學日文科 3年生に講義 ( 台北縣 ) : 「 ポスト・モダンと社會の成熟度 」
13 ) 11月29日 東海大學日文科院生・教授・社會人に講義 ( 台中市 ) : 「 最近の日本の政治 」
14 ) 11月29日 靜宜大學日文科 4年生に講義 ( 台中縣 ) : 「 ポスト・モダンと社會の成熟度 」
15 ) 11月29日 靜宜大學の日本提携大學からの留學生に講義 : 「 日本現代史と日本の今後 」
16 ) 11月30日 台灣大學日文科院生に講義 ( 台北市 ) : 「 ポスト・モダンと社會の成熟度 」
17 ) 12月18日 台灣研究フォーラム 關西講演會 ( 大阪 ) : 「 台灣五市長選擧結果と今後の展望 」
18 ) 12月26日 EAS 研究會 ( 京都 ) : 「 中國と中國人 」
19 ) 1月12日 21世紀日亞協會第170回例會 ( 大阪 ) : 「 台灣の現状と日中台 ( 米 ) 關係 」
20 ) 1月21日 蘆屋讀書會 ( 津村宅 ) : 「 尖閣問題:米國・台灣との四角關係 」
21 ) 3月26日 伊原ゼミ三碓會 ( 和歌山 ) : 「 江戸の天下泰平と今後の世界──日本を救ふ人・稲田朋美 」
第11回 「 伊原ゼミ三碓會 」 ( 伊原擴大ゼミ勉強會/自由參加 ) 豫告 ( 幹事:天辻和代・河野かほる )
聯絡先:河野かほる 和歌山縣岩出市西安上 127-7
TEL/F 0736-62-6765 /携帶 090-9115-6386/E-mail: subarist@live.jp
伊原註:上記 「 第11回 」 といふのは 「 三碓會 」 と名付けてからの回數です。
私の定年退職・70歳のお祝ひを奈良ホテル で 皆さんにして頂いた年が始りですね。
手元の記録では、1976年11月 25-26日に大學和室で一泊二日の伊原ゼミ合同合宿をしました。
この頃から、現役ゼミ生との合同ゼミを、
後期試驗が終つた直後の 2月に午後半日でやるやうになりました。
長い間 2月11日の紀元節の日にやつてゐました。
だから 「 伊原ゼミ合同研究會 」 の歴史は、 「 三碓會 」 よりずつと古いのです。
日 時:平成23年
3月26日 ( 土 )
09:50 JR 阪和線 熊取驛 バスターミナル集合/路線バスで 「 重行 しげき 」 下車 ( 運賃 560圓 )
→重行から米市の自家用車で米市まで ピストン 輸送 ( 約 5分 )
11:00 米市到着、休憩 ( お茶 ) /11:30 食事・近況報告・勉強會
14:30 「 農業の現状 」 /農園見學 ( 歩きやすい靴でどうぞ )
16:00 勉強會・視察終り。
16:30 國分屋へ移動 ( 米市から國分屋へ送迎バスで )
17:00-19:00 二次會の食事
( 歸宅者は送迎バスで和泉砂川驛へ/宿泊者は國分屋で一泊 )
3月27日 ( 日 ) 朝食後、根來寺參詣/送迎バスでJR和泉砂川驛へ/解散
根來寺=火縄銃集團の根據地。圖書館で火縄銃・根來集團を調べておくべし!
參加費:食事と勉強會 3,500圓/二次會 5,000圓/宿泊 9,800圓
勉強會 の テーマ: 「 江戸の天下泰平と 今後の世界──日本を救ふ人・稲田朋美 」
( 根來寺に參るので、火縄銃が天下泰平を齎したことに御注目あれ )
參考文獻:讀んで良し、讀まずとも良し
1 ) 渡邊京二 『 逝きし世の面影 』 ( 平凡社ライブラリー, 2010.6.8, 21刷 ) 1900圓+税
渡邊京二 『 日本近世の起源:戰國亂世から徳川の平和へ 』 ( 洋泉社, 2010.2.17 2刷 ) 1800圓+税
→私たちはかつて“理想的な社會" をつくつた、と思ひ知らされる書物です。
2 ) 安田喜憲 『 森を守る文明/支配する文明 』 ( PHP新書, 1997.10.3 ) 657圓+税
安田喜憲 『 一神教の闇:アニミズム の 復權 』 ( ちくま新書, 2008.6.25 2刷 ) 720圓+税
→私たちの魂の故郷!
3 ) 稲田朋美 『 私は日本を守りたい:家族、ふるさと、わが祖國 』 ( PHP研究所, 2010.7.7 ) 1500圓+税
→私たちみんなの“母親" になれる人です。
4 ) 日本が 「 木の文明 」 であつて、石 ( コンクリート ) は向かないことについて:
西岡常一 『 木に學べ:法隆寺・藥師寺の美 』 ( 小學館、1991.8.1/1993.5.10 第7刷 ) 740圓
→そのほか、西岡さんの 「 木の文明論 」 は澤山出てゐます。
山野忠彦 『 木を癒す:樹醫として歩んで 』 ( ブレーンセンター、1991.11.15 ) 620圓
M.K.シャルマ 『 喪失の國、日本:インド エリート ビジネスマン の 日本體驗記 』 ( 文藝春秋、2001.5.10 第3刷 )
シャルマ さん の 本は べら棒に面白く鋭い日本文明論です ( 私の 「 讀書室 」 に紹介濟 )
火縄銃については、新書判・單行本・研究書が無數にあります。讀物としては、下記が面白いです。
津本 陽 『 鐵砲無頼記 ( 正續 ) 』 ( 實業之日本社、1996.6.25/2003.9.25 )
山本兼一 『 雷神の筒 』 ( 集英社、2006.11.30 )