> コラム > 伊原吉之助教授の読書室
報 告:
袁紅冰が新著を出しました。
伊原註:
中國の亡命作家、袁紅冰が 『 台灣大劫難 』 を昨年11月に台灣で發行し、
私が月刊誌 『 正論 』 の今年四月號で紹介したこと、
それをこの 「 讀書室 」 に載せてあること、
「 ガセネタ 」 説と 「 眞相暴露 」 説があること、
などは、ご存じの通り。
その邦譯も最近、出ました ( 今、新刊書店に並んでゐます ) 。
袁紅冰 ( 黄牛譯 ) 『 暴かれた中國の極秘戰略 』 ( まどか出版 )
( 石平さんの解説が巻末に載つてゐます )
( 私は未入手なので、發行日と定價が不明 )
その袁紅冰が、かねて豫告してゐた新著
『 台灣大國策 』 を出した、といふニュースです。
2010. 9.19 袁紅冰:2012大選 中國必助馬 ( 台中=蘇金鳳/自由時報 9.20/04:11 ) :
( 袁紅冰曰く、2012年の總統選擧の時、中共は必ず馬英九を當選させる )
( 台灣のネット 「 奇摩新聞 」 で 『 自由時報 』 のこの記事を入手しました )
( 1 ) 中國の亡命作家袁紅冰は 19日、新刊 『 台灣大國策 』 の署名會を催して曰く、
2012年の總統選は台灣の自由民主にとつて最も危險な時期だ。
( 伊原註:中文の 「 民主 」 は 「 民主主義 」 の省略形です。
( 自由民主=自由と民主主義 )
中共は必ずや馬英九當選を支援する。
當選しないと、
中國國民黨の幹部と結託して政權交代までの 2ヶ月間に台灣で ゴタゴタ を起し、
介入するだらうと。
( 2 ) 台中市で颱風の風が強まる中、
台灣大地文教基金會 ( 基金會=財團 ) は
袁紅冰の新著 『 台灣大國策 』 の發表會・署名會を強行した。
呉といふ愛書家は雨風をついて驅けつけ、自分のために袁紅冰の署名本を買つたほか、
10册、纏め買ひした。
台灣大地文教基金會は このほか ネット で 直販し、
風雨で來られなかつた愛書家の便宜を圖つてゐる。
ネット では 袁紅冰の講演も見られる。
( 3 ) 袁紅冰曰く、
2012年 の 3月-5月が 台灣の自由と民主主義にとつて最も危險な時期である。
中共指導層は 中共18全大會の召集前に
台灣の中國國民黨と 「 平和協議 」 、つまり國民黨の投降協議に 調印するつもりだ。
だから中共は全力を擧げて 2012年の總統大選を操作し、馬英九當選に持込む。
これが台灣の第一層の危機だ。
もし歴史がこの通り展開すれば、台灣の自由民主は破壞されてしまふ。
( 4 ) 台灣の第二層の危險は、と 袁紅冰がいふ。
それは つまり 中國國民黨の馬英九が當選しなかつた場合、
民進黨を含むどの民主政黨の候補が當選しても、
國民黨幹部は中共と結託して、必ずや台灣の權力交代を阻止する筈だ。
中共は 政權交代迄の 2ヶ月の間に、
台灣に潜入させた地下勢力を總動員して社會を騷がせ、
台灣の自由民主を危機に追込む筈である。
( 5 ) 袁紅冰曰く、
台灣人は、これまでの中國との腐れ縁から抜け出さねばならない。
中華人民共和國と中華民國の領土はダブつてゐて、
「 一人の娘が兩家に嫁いだ 」 狀態にある。
從つて兩者は不倶戴天の敵であつて、
中國は中華民國の國號も國際的存在も絶對許せず、
中華民國を中國史の中に封じ込めたいのだ。
台灣の自由と民主主義が存續する餘地はない。
( 6 ) 袁紅冰は強調して曰く、
アジアで台灣だけが、自力で自由民主を勝取つた。
台灣以外の諸國は皆、米軍の占領により自由民主を得たに過ぎない。
だから台灣はアジアで自由民主が最前の國であり、
他の諸國の模範たるべき國なのだ。
だから中國から天敵視される。
中國は必ず台灣の自由民主を叩き潰す。
台灣人よ、警戒せよ。