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伊原註:台灣の新聞 『 自由時報 』 を讀んでゐたら、馬英九總統が 「 秘書的性格だ 」 といふ、
興味深い指摘をした記事がありました。大意は以下の通り。
馬英九總統の性格は 「 秘書 」
小心者で、指導者の風格なし
中文の標題= 「 馬秘書性格 還没學會當總統 」
( 記者鄒景〈雨/文〉/特稿 『 自由時報 』 4.25,2面 ) :
ある老練な國民黨外省大老がひそかに曰く、
この人は二人の蔣總統に仕へ、馬家とも交流があつた。
この三人の指導の風格に大差があるといふ。
蔣總統は二人とも、報告を黙つて聴き、一言も發しない。
報告し終ると、こちらの心の底まで見透かすやうだし、話の内容はちやんと會得してゐる。
但し、兩蔣が何をお考へかは、こちらにはさつぱり判らない。手の内は明かさないのだ。
馬英九はどうか?
馬英九から伯父さんと稱ばれてゐるこの大老曰く、
馬總統と話すと、手帖を出して猛然と筆記する。こちらの話を全部書取るのだ。
話終へると、馬總統は、その手帖を放り出して見向きもしない。
次に會ふと、又新しい手帖を出して筆記する。
つまり馬英九は秘書的性格なのだ。
彼は會談時、耳も腦も使はず、況して心は使はない。
君は君の話をし、彼は彼の話をするだけで、對話にならない。
彼は人の話を聴けぬ人なのだ。
この話と、24日に馬英九が海基會一行を接見した時の講話を照し合はせると、もつと話がはつきりする。
外界ではいつも、馬英九が質問にちやんと答へず、話が題目から逸れて辻褄が合はず、答が見當違ひなことをいぶかつて來た。
その原因は、彼が人の話を聴かぬことに由來するのだ。
彼は、自分が話したいことを話すだけ。
問題は、國家の政務は馬英九が話して片付くものでないことだ。
事態の本質から逃避してゐたのでは、直面する困難を解決できぬばかりか、最終的には事態が惡化して手に負へぬことになるだけだ。
例へば、馬は自問自答してかう問ひかける。
「 過去11ヶ月の實績を御覧。
「 台灣の主權を犠牲にしたり、台灣の利益を賣飛ばしたりしたことがあるか? 」
この問ひには、誰もが簡單に反論できる。
中國が延長權は主權に關はると言ふと、江丙坤・陳雲林第三次會談は延長權について議題にしない。
これは台灣の主權を犠牲にしてゐるではないか?
延長權喪失は、台灣の航空會社の競爭力に不當な壓迫を加へる。
これが台灣の利益賣飛ばしでなくて何か?
また例へば、彼は自分で解釋して曰く、
「 現在推進中の工作の着眼點は グローバルなものであつて大陸だけではない 」
では皆さん、馬政權下の 11ヶ月に彼は グローバルな政經ネットワークについて、どんな努力をしましたか?
どんな進展がありましたか?
何か突破しましたか?
何ら實績がないのに、どこが グローバルなのでせうか?
ただ一筋中國にだけ目を向ける馬英九の遣り方は 「 井の中の蛙の管見 」 であり、典型的な 「 鎖國 」 の發想ではありませんか?
名殘惜しげに馬英九は言ひます、
十餘年前、私は大陸委員會で今實施してゐるやうなことを考へてゐたが、
殘念ながら 「 支障があつて棚上げになつた 」 と。
台灣は多くの歴史的な好機を失つてきたのだといふのです。
それなら伺ひませう。
1993年の辜汪會談で兩岸は制度に關はる協議をしましたが、
その數多の文書中にある政策決定者や第一線の談判者の記録中に、馬英九の名前が出て來ますか?
棚上げされた十餘年に、台灣の政治の民主主義・經濟の發展は飛躍的であり、四度に亙つて總統直選をやり、國民所得が 1萬0566米ドルから 1萬7576米ドルに殖へました。
馬英九がいふ 「 失はれたもの 」 とは、まさか ( 馬英九が當時主張した ) 「 委任直選 」 の歴史的機會だといふつもりじやないでせうね?
それとも馬政權の主計處が豫告した今年の GDP が史上最大の落込みを記録するといふことでせうかね?
馬秘書さん、貴方は何よりも先づ、どういふ風に馬總統を演ずればよいかを學ぶ必要がありますね!