今年の予定から見る中国の変化

天津日記6(2007年1月15日)

株式会社大協 企画室

中国・南開大学大学院経済学研究科 古森崇史

≪今年の予定から見る中国の変化≫

以下が、今年の中国経済等に関する予定の一部です。
1月 ・中国とニュージーランド間の自由貿易区に関する談判(第十回)
・「戸籍法」、「企業会計原則」、「登録会計士監督原則体系」等の施行
3月 ・「物権法(草案)」が全国人民代表大会で審議及び表決される
・「金融機構における大額取引・不審取引報告の管理方法」施行
・「電子情報製品の汚染抑制管理方法」施行
4月 ・「(改正後の)パートナー企業法」施行
6月 ・「企業破産法」施行
7月 ・「農民専門の協同組合法」施行
・中国とパキスタン間の自由貿易協定の実施
8月 ・世界経済フォーラムが中国で開催
・「循環経済法」が全国人民代表大会常任委員会で審議される予定
・「証券会社の全面的な整備」という目標を実現予定
9月 ・「第1回国際石炭とエネルギー新産業博覧会」開催
10月 ・「第4回中国・APEC博覧会」実施
11月 ・「2007年中国国際工業博覧会」開催
12月 ・(第1回)中国における汚染源の全面調査の実施

(参考)≪財経(年刊)2007:予測と戦略≫

表をご覧になれば分かりますように、中国政府が、環境面にも配慮している事が分かります。また、中国の法制度は遅れているなどという指摘がよくありますが、様々な法律等を現在急ピッチで制定中である事も分かると思います。個人的には、多国籍企業が中国に安心して投資できるように現在中国側も努力していると評価していいのではないかと思います。

なお法律等についてですが、中国の会社法や民法等の教科書等を読みましても、日本の法律の影響を大変強く受けている感じがしますので、日本人が中国の法律を理解する事は十分可能だと思います。ただし、不動産に対する概念等が、日本と中国とでは相当異なりますので注意が必要です。

 天津の投資等の状況ですが、(2006年11月に天津市の戴市長一行が日本に行かれて投資説明会を開催する等)宣伝の効果もあり順調なようです。具体的には、2005年末までの天津市の(香港等を含む)外資系企業の直接投資(累積)は、1.84万社の企業、契約額582.1億ドル、実際投資額303.41億ドルとなっており、泰達経済技術開発区(TEDA)等を中心に現在急増中です。