不動産関係について 天津日記3

天津日記3(2006年12月)

株式会社大協 企画室

中国・南開大学大学院経済学研究科 古森崇史

<不動産関係について>

(1)不動産トラブル発生中

 日本では、法律上保証協会制度等が存在するため、不動産売買などの際に、不動産会社が仲介に入って取引をすれば基本的に問題はないようですが、中国では違います。そして、最近この不動産売買等に関し、大きな問題が起こっています。

ある大手不動産会社が、買主から代金を受け取ったにも関わらず、そのお金を無断で株の投資に投入して失敗し倒産したのです(1社ではなく複数)。このような場合、どのように解決するべきなのか中国ではまだはっきり決まっていないのです。政府も、色々な法律を制定しようと懸命に努力していますし、売主・買主とも決まりに従って売買を行おうとしたに過ぎません。社会への影響も大変大きいです。それだけに、このような仲介会社は許せないという雰囲気が強くあります。

中国の様々な不動産のサイトにアクセスすれば気付かれると思いますが、不動産の賃貸の募集等を多くの場合個人で行っており、<仲介業者お断り>などと書いてあるケースが非常に多いです。日本では、費用がかかっても業者の方に入ってもらう方が安全でいいと考える人が多いだけに、驚きました。


(2)外国人の不動産探し

 よく言われることですが、中国では日本人の学生と駐在員とでは住む場所が全く違います。住居関連に1ヶ月当たりかかる金額は、天津の場合現在だいたい@学生は1000〜1500元(1万5千円〜2万2千円)位、A私のように会社から派遣されて勉強している者や普通の会社の一般的な社員等は3000元〜7000元(4万5千円〜10万円)位、B(トヨタなど)一流会社の社員等は1万元〜2万元(15万円〜30万円)位、C一流会社の天津責任者等は2万元(30万円)以上です。

 天津には、外国人専門の不動産会社がたくさんあり、各会社には日本語を話せる人材がいますし、ほとんどの場合仲介料等は無料です。そのかわり、かなり割高です。私も、何度か電話したことがありますが、こちらの条件(中国人よりかなり割高)を言うと、即座に「現在ありません。また連絡します。」と言われたのですが、まだ一度も連絡がありません。どうも、最低でも5000元(7万5千円)以上の物件を探していなければ、まともに相手にしてもらえないようです。

 私は、結局中国人の知り合いに協力してもらって自分で部屋を探しました。大変よい条件で、満足しています。私の感じる事は、日本人の駐在員等が安全で快適な所に住む事は絶対必要だと思いますが、必要以上の家賃を払い、家賃の高騰を引き起こしているという事です。値段がいくら高くても、停電・断水が頻繁に起こったり、まだ新築なのにひび割れが多く存在したりする高級マンション等は多く存在します。外国人が、適正な値段で安全・快適な場所に住むには、信頼できる中国人の協力が必要です。しかし、日本人と中国人の協力関係はまだ少ない気がします。