天津日記2
株式会社大協 企画室
中国・南開大学大学院経済学研究科 古森崇史
1・コピー商品
中国は、ご存知の通りDVDやブランド商品の違法コピー商品が多く存在していますが、私の周りでは、最近随分と減ってきているような気がします(一時的かもしれませんが…)。取締りの強化が、功をなしたのかも知れません。
しかし、完全になくなる事はやはり大変難しいのではないかと感じています。日本と違い、テレビの娯楽番組が少ない中国でDVDは、大変貴重な存在です。また、コピー商品が、長期的に考えて、(創作意欲の減退なども含め)悪い影響があると言う事を、皆そもそも考えていないと思います。販売している人の多くは、その日をどう暮らすかで頭がいっぱいで、長期的な視点で考えるのは無理のような気がします。中国がもっと経済的に豊かになれば、解決するのかもしれません。
私は、以前あるレコード店で、日本のドラマのDVDを普通の海賊版より値段がかなり高い(8〜10倍位)ですが、画像が比較的鮮明で包装もきちんとしているので、本物と思って買っていました。しかし、ある日店に行くとすべての日本のドラマのDVDがなくなっていました。それと同時に、店の多くの商品がなくなっていました。おそらく、検査などがあったのでしょう。「ちゃんとした店でもこれだけ違法コピー商品があったのか」と驚くと同時に、今まで高い値段で買っていたのが全部コピー商品だったのかと思うとやりきれない気分になりました。
また、ロレックス等の高級時計のコピー商品をたくさん販売しているある市場を、買い物に行った時に通ると、市場中の全ての時計が無名ブランドの安い時計に変わっていました。最近取締りが厳しいから隠しているという事ですが、大きな市場にどう考えても売れそうに無い無名ブランドの時計ばかりという光景は奇妙なものです。ちなみに、この市場はある電車の駅の名前だったのですが、最近駅名が変更されました。
2・自転車泥棒
中国では、最近車を購入する人が急増しているとはいえ、まだまだ自転車王国であるのには変わりありません。毎日一時間位自転車に乗って通勤するのは別に珍しい事ではありません。
しかし、この一般の人々にとって貴重な自転車の盗難件数があまりにも多いのには、驚きます。組織的に盗んでいるケースも多いです。<中古自転車を購入→盗まれる→窃盗グループが自転車販売屋に売却→中古自転車を購入>と言うビジネスモデルが成立しています。友達の留学生は、一学期(4ヶ月半)の間に5回自転車を買いました。この状況ですから、新しい自転車を買おうとする人は、大変少ないです。