台湾 - 飛んで火に入る夏の虫?

第85回例会のご案内


 1980年代以降、台湾で起きた大きな政治的変化については周知のことと思う。蒋経国の死後総統職に任じた台湾人(内省人、本省人)李登輝は、大胆柔軟な手法をもって戦後の外省人支配の台湾を変革し、政治の民主化(台湾化)を進めた。その延長線上に長らく野党であった民進党の陳水扁総統の誕生を見たことは画期的な事件であった。

 来年には総統選が行われるが、これまで順調に進展してきた「中華民国の台湾化」とでも言うべき趨勢が維持発展できるか否かは、決して楽観できない状況にある。一体日本に近いこの隣国で何が起きているのか。「台湾化」は反転逆流して「中国化」に向かうのか。

 台湾の変化を詳細に観察されてきた講師から、台湾の現況と今後の見通しを学びたいと思う。


日時:平成15年4月26日(土)14:00〜17:00

会場:大阪リバーサイドホテル 都島区中野町5−12−30 電話:06−6928−3251]

     JR環状線「桜宮」(大阪駅から二つ目)西口下車、徒歩2分

会費:千円  非会員二千円

講師:伊原吉之助 帝塚山大学名誉大学教授・日亜協会理事

演題:台湾 - 飛んで火に入る夏の虫?


<講師紹介>

 昭和11年京都市生まれ。京都大学法学部卒業後三井物産社員をへて、京都産業大学、琉球大学、大阪府立大学、インド国立ネルー大学、愛媛大学、大阪国際大学で教鞭を執り、平成12年から新設された近畿福祉大学に勤務。インド亜大陸に足を運ぶこと30回以上。毎年インドの大学などで現代日本に関する講演を行うほか、現地の変化を観察する旅を続けている。日本インド友好協会(JAIFA)会長。

 主な著作・編著に、『北一輝 転換期の思想構造』『近代日本のアジア認識』ミネルヴァ書房、『骨抜きにされた日本人』PHP研究所、『脱戦後の条件』日本教文社、『凸型西洋文化の死角』柏樹社(第2版、いぶき書房)、『南アジア(現代地域紛争史3)』同文館、『現代中国の変動と課題』その他。月刊誌『問題と研究』に毎月<南アジア展望塔>を連載して、インドを中心とした南アジアの主要トピックを解説している。