中国社会の前近代性

第76回例会のご案内

中国認識」の基本を問い直す!


 個人にも国家にも、いかんともし難い宿命というものがある。日本と中国が海を隔てた隣国であるという地理的環境は、人為をもってしてはどうにもできない宿命である。

 人類の歴史を顧みれば、隣国であるために絶えず競争し、対立し、戦争する事例は、少なくなかったことがわかる。もちろん、隣同士であるために平和理に交流を深め、助け合い、親交を深めることも可能なはずであるが、歴史は、このような好ましい友好関係を築くことは、対立・競争関係に立つよりもはるかに困難で、相互の絶えざる努力が必要なことを示している。

 21世紀初頭における日本外交の最大の課題は、中国との関係をいかに安定させるかにあるといってよいだろう。単なる安定であれば、これまで我が国の政治家や外務省(とくに親中チャイナ派)がやってきたように、相手のご機嫌を損じないために、言うべきことも言わず、内政干渉をやられても「冷静、慎重」に対応することのみを考えておれば、波風は立たず、当面の安定には最善の策と思われる。しかし実は、長期的にみれば、これがかえって将来の不安定と波乱・対立の種を準備しているにすぎないことに気がつくものは、まことに少ない。

 さて長期的に安定した関係を構築するためには、情緒的な一方的思い入れを排して、相手をそれこそ「冷静、慎重」に把握することが必要であろう。アバタはアバタ、エクボはエクボとして理解すること、これである。

 今回は、輝かしい経済発展のかげにかくれて見えにくいアバタの一つを取り上げてみたい。中国理解を深めるために欠かすことのできない重要な基本的問題であるが、とかく忘れがちになる問題でもある。


日時:平成14年6月22日(土)18:00〜21:00 

    (久しぶりの夜の会です。開始時刻にご注意!)

会場:大阪リバーサイドホテル 都島区中野町5−12−30 電話:06−6928−3251

     JR環状線「桜宮」(大阪駅から二つ目)西口下車、徒歩2分

講師:伊原吉之助 帝塚山大学名誉教授・日亜協会理事

演題:中国社会の前近代性

会費:千円  非会員二千円