史実の探求=「南京大虐殺」30万人説はいかにして作られたか

第71回例会のご案内


「歴史認識」を問い直す!


 そのかみ、ある禅僧は「元日は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」と詠んだ。新年明けましておめでとうございますと、明るい声で日本の新年を祝いたいところであるが、我が国の心理的閉塞感はこのところむしろ深まりつつあり、希望に胸躍らせて新年を迎えるというよりは、新たな「冥土の旅の一里塚」を刻みつつあるようにさえ思われる。不景気さえ解決できればこの閉塞感は吹っ飛ぶと考えている者が少なくないが、それは一面的な見方であろう。根元にあるのは単なる経済の問題ではない。国民的な心理的・精神的萎縮という目に見えにくい重要問題を看過しては、日本の真の再生はあり得ないのではないだろうか。

 この問題に大きく関わってくるのが、昨年も歴史教科書問題、首相靖国参拝問題を通じて浮上した歴史認識問題である。その象徴とも言える位置を占めているのが、中国の言う「南京大屠殺」である。このたび歴史研究の基本に立ち戻り、歴史家としての「常識」にもとづいて、この問題の「事実」を探求した快著『「南京事件」の探求』(文春新書、定価680円)を刊行された著者から直々に話を伺い、政治的プロパガンダの道具と化した感のあるこの問題に関する理解を深め、歴史認識を問い直す機会としたい。

なおこの著書は未入手の方のために、当日受付で販売します。


日時:平成14年1月19日(土)14:00〜17:00

会場:大阪リバーサイドホテル 都島区中野町5−12−30 電話:06−6928−3251

   JR環状線「桜宮」(大阪駅から二つ目)西口下車、徒歩2分

会費:千円 

講師:北村 稔 立命館大学文学部教授・日亜協会評議員

演題:史実の探求=「南京大虐殺」30万人説はいかにして作られたか


<講師紹介>

昭和23年京都府生まれ。京都大学文学部史学科卒業後、同大学大学院博士課程に進む。三重大学助教授を経て現職。中国近現代史専攻。主要著訳書に『第一次国共合作の研究』岩波書店、『アジアの歴史』共著、法律文化社、スチュアート・シュラム『毛沢東の思想』蒼蒼社、黄仁宇『蒋介石』共訳、東方書店 など。