第64回例会のご案内
十年ばかり前、冷戦が終焉したと言われたときには、冷戦後の世界に関する楽観的な見方が国内外において支配的であったが、新しい世紀を迎えても、世界は未だに安定した秩序を構築するに至らず、あちこちで、きな臭い紛争の根は絶えていない。このような地域の代表が中東(西アジア)である。
これまで本会の例会では、西アジアに関してはまともに扱うことがなかった。我々から最も遠いアジアであるから関心がなかったというわけではない。近隣アジアに次々いろんな問題が発生していたからその扱いに追われたという理由もあるが、イスラム世界に十分な理解をもち、現地事情にも詳しい、信頼できる講師に恵まれなかったのが主な理由である。
今回は久方ぶりに気鋭の講師を迎えて、その空白を埋めることにしたい。マスメディアが報じているような表層的な変化ではなく、転換期を迎えつつある中東情勢の根っこを把握したいものである。
日時:平成 13年4月24日(火) 18:00−20:00
場所:大阪大学工業会館 最寄り駅:JR大阪駅西口、地下鉄西梅田・北新地など
(北区堂島2−2−2 近鉄堂島ビル20階 電話06−6344−6171)
会費:正会員1000円(法人、特別、学生会員は不要)、非会員2000円
講師:北沢義之 京都産業大学外国語学部助教授
演題:再編成期にさしかかった中東
<講師紹介>
1956年生まれ。86年東京外国語大学大学院地域研究科修了、87〜90年在ジョルダン日本大使館専門調査員、90〜93年 (財)中東調査会及び(財)中東経済研究所非常勤研究員、93年以降、京都産業大学に専任講師として赴任、97年より現職。
この間、93〜94年には国際協力事業団のパレスチナ援助検討委員会委員、96年1月にはパレスチナ自治政府選挙に日本監視団の一員として参加するなど、研究室内に収まらない諸活動にも積極的に参加している。
<最近の著作>
共著に、立山良司編『中東』自由国民社、須藤真志編『二〇世紀現代史』一芸社
論文に、「パレスチナ人の帰属意識」『思想』95年、「構造調整とヨルダンの民主化」『国際政治』2000年、など。