中華民国陸軍大学校の抗戦準備(続)


   日亜協会 第328回 例会 ご案内


満洲事変から盧溝橋事変までの1930年代は南京国民政府による近代化政策推進が急務となった。対日戦準備が理由の一つだったが、第一次世界大戦後に総力戦思想が世界に流行して、戦争の形態が一変したからである。南京国民政府はナチスドイツと良好な関係を築き、経済建設と軍事顧問団を受け入れ、経済−軍事の近代化を図った。陸軍大学校の学員は国民党軍人として軍師団指揮官や参謀となるため、高等軍事学以外に総力戦についても学ばなければならなかった。総理遺教『建国方略』中の「物質建設」を引いて、実際は「心理建設」の重要性について解説した講演は、陸大学員にも理解し難かったかもしれない。そこで本講演では講演を解釈しながら、「物質建設」を達成して中国を重工業化して国防工業建設を推進する構想を明らかにしたい。


日時:令和7年1月17日(金)

   18:00〜20:00(17:50開場)


会場:大阪市立総合学習センター(大阪駅前第2ビル)5階第6研修室


会費:千円 (非会員二千円),学生200円

二次会:2階北西隅「北大会館」 懇親交流会 千円(非会員も同じ)


演題:中華民国陸軍大学校の抗戦準備(続)

   −総理紀念週の講演から考える−


講師:細井 和彦(鈴鹿大学国際地域学部教授)


講師プロフィール

 昭和39年、群馬県生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了(博士・文学)。大学院在学中に(財)霞山会の派遣で中国南京大学に留学、第二次天安門事件に遭遇。首都師範大学外国語学院 外国言語学応用言語研究所客員研究員として在外研究、北京オリンピック前の中国社会を観察。専門は中国近現代史(1930年代の中国)。最近の研究テーマは、陸軍大学校の将校/参謀養成制度。

 主な業績、「陸軍大学校における総理紀念週の活動について−楊杰教育長『建国方略』の「物質建設」について語る−」(『中国研究論叢』第23号・2024年)、翻訳:楊杰『現代中国国防的基本条件是什麼?』(『鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要』第7号・2024年)、「近代中国軍事戦略家研究序説」(『鈴鹿国際大学紀要』19号、2015年)など。