日亜協会 第132回例会のご案内
国共内戦に敗れて台湾に移ってきた国民党により、台湾は長らく少数の外省人が本省人(台湾人)を支配する蒋家支配の時代に置かれた。ところが台湾人が初めて総統に就任した李登輝時代に入って政治の土着化・台湾化・民主化が進み、その延長線上に、かつて厳しい弾圧の対象であった台湾独立を主張する勢力が、民進党を結成して総統選挙にも勝利する時代が到来した。しかし中国は、台湾は中国固有の領土であると主張して台湾政府の国際的孤立化に追い込み、台湾経済人は経済的利益を求めて大陸に赴き、中国政府のご機嫌取りになった者も少なくない。
その台湾では、立法委員選挙来年1月12日を経て新年には総統選挙が行われる。この結果は、台湾の動向に大きな意味を持つことになるだろう。
台湾の政治は一体どういう状況にあるのか。どこへ向かおうとしているのか。
長年台湾政治の動態を観察してこられた講師に、現地におけるこの秋の調査結果も踏ま
えて最新の情勢判断を提示して頂き、大きな節目を迎えつつあるように思われる台湾の現状に理解を深めたい。
日時 平成19年11月13日(火)18:20〜20:30(18時開場)
会場:大阪市立総合学習センター(大阪駅前第2ビル 5階第4研修室)
電話06−6345−5000 ・06-6345-5019
会費:千円 二次会(侃々諤々の交流会)は、同ビル二階北西隅「北大会館」
講師:伊原吉之助 帝塚山大学名誉教授 日亜協会理事
演題:2008年,台湾政治の関ヶ原?
<講師紹介>
昭和5年堺市生まれ。34年神戸大学大学院博士課程修了。その後龍谷大学経済学部を経て帝塚山大学教養学部で長らく教鞭を執り、平成12年退職、名誉教授。社会思想史の研究から次第に現代史に研究の中心を移し、台湾国立政治大学国際関係研究所への留学、在香港日本国総領事館の特別研究員を経て、中国・香港・台湾の現状分析に取り組む。とくに台湾をめぐる国際関係の動向に三十年来強い関心を持ち、最近は広い文明史的観点に立って、日本・中国を論じ、さらに進んで世界文明史の構築に精励中。