北朝鮮と金正日体制の行方:日本は何をなすべきか

第103回 日亜協会例会のご案内

北朝鮮の内部で90年代に驚くべきことが起きていた。

我々はこの不可解な個人独裁国家に対して、いかに立ち向かうべきか。


 北朝鮮はまことに不可解な国である。小泉首相はこの国を2度も訪れ、人道支援という名の朝貢品を献上し、「対話」進展の暁には莫大な経済支援もすると申し出たが、拉致された日本人のなかから何人かの大した情報を持たない人間を送り返され、偽の骨などを掴まされただけで、肝心の「対話」は実質的な進展もないまま、「圧力」はひたすらに回避して年を越している。

 今年は、北朝鮮に対して日本外交がいよいよ決断を迫られることになる。その方向を誤ることのないようにするためにも、90年代以降にこの国で起きた驚くべき事実を、しかと把握して対処する必要があるだろう。ユニークな朝鮮問題研究家を招いて、大いに議論を戦わせたい。


日時:平成17年2月4日(金)18:20〜20:30 (18時開場)

会場:大阪市立 総合生涯学習センター  大阪駅前第2ビル6階 第2研修室

  電話:06-6345-5000 FAX:6345−5019

会費:千円   (ビールを囲んで談論風発の二次会は、別途千円)

講師:萩原 遼 氏  フリージャーナリスト、元「赤旗」平壌特派員

演題:北朝鮮と金正日体制の行方:日本は何をなすべきか


<講師紹介>

1937年高知県生まれ、67年大阪外国語大学朝鮮語科卒。69〜88年共産党機関紙「赤旗」記者。72〜73年平壌特派員として北朝鮮の報道に当たって以来、北朝鮮問題に関して実証的な研究に取り組む。89年から3年がかりで、朝鮮戦争時に米軍が北朝鮮から集めた膨大な文書(ワシントンの国立公文書館に秘蔵))を読破して、朝鮮戦争に関するユニークな研究書『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』を出版、注目される。その後『北朝鮮に消えた友と私の物語』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『ソウルと平壌』『朝鮮と私 旅のノート』(以上いずれも文春文庫で入手可能)などを併せて、ユニークな朝鮮ウォッチャーとしての地位を確立。

 その後も北朝鮮に対する研究意欲は衰えず、90年代の北朝鮮内部の動向を探るために2000年から再びワシントンにアパートを借りて膨大な史料を探索し、昨年暮れにその研究成果を、読みやすい一般書『金正日 隠された戦争』(文藝春秋)として刊行した。

本書は当日会場で販売する(定価1600円)。